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運指のトレーニングで恐らく最も多く使用され日常的に指慣らしとして使われる事も多いクロマチックスケール。
今回はこれを使って色々な練習法をご紹介したいと思います!

クロマチックスケール

クロマチックスケール

クロマチックスケールとは、半音階のことでエレキベースだと1フレットずつ弾いていけば勝手にクロマチックスケールとなります。
そして上の譜面のように4つ弾いて次の弦に移動、とすれば人差し指から小指まで均等に使う事ができ、練習前のウォーミングアップだけでなく様々なフレーズやスケールを弾くためにも役立ちます。

譜例1(上昇フレーズ)

クロマチック譜例1

という事で早速やっていきましょう。メトロノームは基本的な鳴らし方・練習法に紹介したウラ拍で鳴らしましょう。
正確なクロマチックスケールは弦が変わると1フレットずつずれていくのですが、メトロノームを使ってウォーミングアップやリズムトレーニングをする場合は譜例1のように同じフレットで弾くパターンが一般的です。
もちろん正確なクロマチックスケールでするのも練習のひとつですが、ひとつのポジションで全ての指を均一に使えるようにという目的もありますので基本は譜例1のパターンをオススメします。

下の文字は5フレットなら人差し指、6フレットなら中指という意味で、2小節目も同じ要領で押さえましょう。
最初はなかなか指が開かなくて大変ですが難しければもう少し高いフレットから、慣れてきたら低いフレットでもチャレンジしてみてください

譜例2(下降フレーズ)

クロマチック譜例2

1弦の8フレットまで弾き切ったら次は反対に1弦の8、7、6、5と下降(高い音から低い音へ)していきましょう。
左手のポジション、押さえるフレットはもちろん同じで譜例1とは逆に最初は各フレットに全ての指を置いた状態から1本ずつ離していくという意識で指を動かしてみてください。

ちなみにクロマチックのフレーズはこれだけでなく色々な運指がありますので他の指を押さえたままや離していたりというのを100%守っていては逆に効率が悪くなったりもしますのであくまで意識する程度で十分です。

譜例3(実践編)

クロマチック1

クロマチック2

クロマチック3

クロマチック4

という事で実際にメトロノームを鳴らして練習する時の譜例のひとつを紹介します。
5、6、7、8と1弦まで弾き切ったら次は6、7、8、9のポジションへと移り、8フレットのポジションまでひとつずつずらして上昇フレーズを弾いていきます。
11フレットまで弾いたら11、10、9、8と下降フレーズに切り替えて4弦の5フレットまで戻って1セットです。

【動画公開予定】

で、やってみるとこんな感じになります。
動画のテンポは90くらいで最初はこのくらいのテンポから確実に弾いていくようにしましょう。
メトロノームに合わせて弾くのが難しい場合は指が慣れるまでテンポは出さず一音一音確実に押さえてしっかり音が伸びるように弾いてみてください。

この練習は均一な音の長さ、音量で弾けるようになるのが狙いですが、それ以上に小節の感覚や今自分が曲のどの位置にいるのか把握するという練習にも繋がってくる事ですので間違えたら間違えた部分からやり直すのではなくそのまま弾ききるという意識も持っておいてください。

バンドで演奏する場合を想定してもらえたら分かりやすいかと思いますが一人ミスをしたら全員が瞬時にミスの部分に戻ってやり直すというのはまず不可能です。
ミスをしてしまった場合、頼りになるのがこの辺りの感覚で早く修正すればする程誰にもミスに気付かれない可能性が大きくなりますし、あまり恥ずかしい思いをしなくて済みます(笑)

ごまかしと言ってしまえばそれまでですし理想はノーミスで完璧に弾ける事なのですが、人間なので全てのライブでノーミスなんてなかなか出来る領域ではありませんし持っておいて損はない技術なので少し意識しておいてもらえたらと思います。

譜例4(横移動)

クロマチック横移動

さっきまでの譜例は縦移動での練習で、こちらは横移動verです。
譜面を見てもらえば分かる通り、1本の弦でポジション移動しながら弾いていきます。

運指は譜例4の通りで1、2、3、4と弾いたら次は5、6、7、8フレットのポジションに移動、次は9、10、11、12フレット、13、14、15、16フレットという要領で移動してください。
上昇したら次はお決まりの下降で、16、15、14、13フレットのポジションから4、3、2、1フレットのポジションまで弾いて1セットです。

こちらは低いフレットで押さえるのが大変だったりポジション移動が難しかったりしますのでまずは縦移動のフレーズでしっかりコツを掴んでからの応用編という感じで出来る方はチャレンジしてみてください。


この運指はクロマチックスケールの中でも一番基本的なものですが、指の順番を変えたりアルペジオ風にしたりと様々なバリエーションがあります。
メトロノームもウラ拍で鳴らすだけでなく様々な位置で鳴らす事によって色々なビートを感じられるようになり、グルーブを出せるようになってくるとこのシンプルな練習もとても楽しいものとなります。

なのでこのクロマチックスケールの練習は1日最低でも5〜10分、軽い指慣らし程度でも十分なので出来る限り毎日やってみてください。
もちろん長時間じっくり練習できればベストですが、短い時間でも集中して毎日続ける事で段々と身に付いてきますので気長に練習してみましょう。

私のレッスンでもリズムを鍛えたいという生徒さんに対してはこのフレーズを基本に色々なスケールやジャンルごとに使える美味しいフレーズなどを使って練習してもらっています。
とりあえずこの運指に慣れてきたら、応用編で少し難しい運指にもチャレンジしてみましょう(`・ω・´)ゞ

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