メトロノーム
使い込むとこれだけで気持ち良く演奏出来るようになるメトロノーム。
ベーシストのお供とも言える必須アイテムで、その基本的な使い方・リズム感の鍛え方を紹介します!

メトロノーム

スクリーンショット 2016-06-20 7.45.49

スクリーンショット 2016-06-20 8.04.34

メトロノームというと一般的には1枚目の画像のものを指す事が多いですが、今では2枚目の電子タイプのものが多く普及していますね。
今回はこれを使ってリズム感・タイム感を養っていこう!という話なのですが、とりあえずピッピッとクリック音の鳴っている拍の頭に合わせて弾いていれば上達するのかと言えば案外そういうものでもありません。
最初に結論というか目的を書いておきますと、この練習はメトロノームに合わせられるようになる練習ではなく体内リズムを養っていく練習ですので、それを踏まえた上で読んでもらえたらと思います。

4分の4拍子の表拍で鳴らす場合

ほぼ全てのメトロノームの初期設定は4分の4拍子で世に流れている音楽の多くも4分の4拍子なので、現代の音楽の基本と言える拍子と言っていいかなと思います。
ちなみに4分の4拍子というのは分母は1拍になる音符の種類で、分子は1小節に入る音符の数を表していているのですが

クリック表

とりあえず図で見た方が分かりやすいかと思います。
1小節内に4分音符が4つある、くらいの感覚で大丈夫です。
下の数字はカウントです。ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー…という感じで足でリズムを取りつつ何拍目なのか自然に頭の中で数えられるようになれればベストです。

譜例1

譜例1

という事でまずはこのクリックに合わせて音を出してみましょう。
五線譜はまだ全然読めなくてもいいのですがここは「ラ」の音で、ラは3弦の開放弦で出せる音なので右手のピッキングだけに集中出来ます。
3段目は上の図と同じメトロノームでこの×の位置でピッピッと鳴らします。

【近日動画公開予定】

テンポは速くもなく遅くもないBPM=90です。
動画のように4小節目まで終わった再び1小節目に戻って繰り返し続けてみてください。

何となく慣れてきたらBPM=80くらいまでテンポを落としてみましょう。
すると8分音符の部分はある程度合わせられても4分音符のところが特にズレてしまいがちになるかと思います。
いーや、出来てるぜ!と思っていても今は簡単にアプリでダウンロード出来るレコーダーなどで撮ってみると残酷なくらいの現実を突きつけられます。はい、私がそうでした。

一般的にも遅いテンポの方が難しいとはよく言われている事ですが、何故難しく感じるのかを簡単にまとめると

●テンポが遅い=1拍目と2拍目の間隔が長い=次のピッとなる音までが長い
      ↓
●感じているリズムが4分音符の表拍のみ(4拍のみ)=体でリズムを感じられる情報が少ない
      ↓
●自分自身でリズムを作れていない=次の拍の頭がどこに来るか予測出来ない

という流れになります。

じゃあどうすればいいんだ!!となる訳ですが、ここで一番のネックとなっているのは上の赤文字である「体でリズムを感じられる情報が少ない」なのでここに注目してみましょう。

情報が少ないなら増やせばいいじゃないか、という事でここからようやく本題です。
実に長い前置きでしたがこの辺りを理解しているか、意識しているかで結構変わりますのでじっくり書きました。

拍の裏を感じよう

上の前置きでしれっと表拍という言葉を多用しましたので気付いた人もいるかも知れませんが、拍には表と裏があります。
表は今までメトロノームで鳴らしていたピッピッという部分です。
裏は言葉の通り表の反対側で、譜面で表すと

クリック裏

こうなります。
今までクリック音が鳴っていた場所に8分休符が入り、クリック音が入るのはその間になりました。

譜例2

譜例2

さっきの譜例1を裏で鳴らすとこういう譜面になります。
4分音符のところでは鳴らす音と音のちょうど間、8分音符のところでは2、4、6、8と偶数の部分で鳴りますね。
これを弾くとどうなるかと言うと

【近日動画公開予定】

動画のように最初は1、2、3、4と数えながら表の拍を手拍子してみてください。
これがしっくり来るまではひたすら手拍子でリズムを感じるというのも十分な練習になりますし、倍の8分の速さで叩いて入念に裏の位置を理解するのもいいでしょう。

エレキベースはリズム楽器なのでリズムに合わせるという事はもちろん大事なのですが、それ以上に重要なのがリズムを感じる事でとにかく反復して体に刻んでいくしかありません。

それとこの練習では速さは必要なく、むしろ自分で気持ち良く弾けるテンポより少し遅いくらいでやるとより集中したトレーニングが出来ます。
あまり速いと拍と拍の間(ま)を感じる暇もなくごまかせてしまいますし、遅すぎると逆にリズムが取れないので大きくテンポを変えるのは裏を十分に感じれるようになってからでいいでしょう。

かといって実際バンドで弾く場合に毎回寸分違わぬテンポで出来るかというと、メトロノームを流しながらでもしない限りはまず不可能ですし、最初に書いた通り合わせる練習ではなく体内リズムを養っていくための練習なのである程度慣れてきたら毎日BPM=2〜5程度の軽い緩急をつけていくとより効果的になります。

今回の記事ではリズムだけに焦点を置いて左手は開放弦としましたが、慣れてきたら以下の記事で左手の運指トレーニングにもチャレンジしてみてください(`・ω・´)ゞ

アイキャッチ用【メトロノームを使った練習】クロマチックスケールで合わせてみよう
運指のトレーニングで恐らく最も多く使用され日常的に指慣らしとして使われる事も多いクロマチックスケール。 今回はこれを使って色...
サウンドハウスで購入