グーッドウィドゥム
リズム練習と言えば楽器を持ってメトロノームを鳴らして…と考える人がほとんどですが、最も基礎となる部分は実は楽器がなくても大丈夫だったりします。
とにかくリズムというものを体に染み込ませる事や色々なリズムを知る事の重要性について色々書いてみたいと思います(`・ω・´)ゞ

リズム感とタイム感

今回は特に文章が長いです。割と突っ込んだところまで書いてみました。

普段リズムに関する話題をする時は大抵リズム感、とかリズムトレーニングという言葉を使ってきましたが、初めて別の用語が登場しました。
タイム感という言葉を聞いた事くらいはあるという人もいるかと思いますが、人によって微妙に定義が変わったりニュアンスが違うもので結局リズム感とタイム感の違いってなんぞ?と思っている人も多いでしょう。
そもそもタイム感という言葉は普段そこまで使いませんし、便宜上リズムという言葉でくくられているところもあり実に曖昧なものです。

まぁ音楽なんて本当に曖昧なもので、ほぼ全ての理論・理屈は後付けだと思っていますし何となくふわっと分かっていればそれでいいんじゃないかなぁとも思っていますがww

と、いきなり前置きが長いですがまずはタイム感とリズム感の違いについて私なりの解釈で説明してみたいと思います。

タイム感

一言で言えば「テンポを一定間隔でキープする能力」です。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-06-21-09-57

分かりやすく説明する為にリズム譜を。4分の4拍子で4分音符が4つありますね。
例えばBPM120でメトロノームを鳴らすと1分間に120回、BPM60なら1分間に60回ピッピッと鳴ります。

もう少し砕いて説明するとBPM120は0.5秒で1拍進んで1分間で120拍、BPM60は1秒で1拍進んで1分間に60拍という意味になります。

120や60だと割り算しやすく分かりやすいので例に出して説明しましたが、BPM200なら1分間に200回、BPM45なら1分間に45回メトロノームがピッピッと等間隔に鳴ります。

ここで時計の秒針を思い浮かべてみましょう。
今までの説明と逆の言い方をすると秒針は1分間に60回進みますので、あのカチッカチッというリズムはBPM60となりますね。

ここまでの説明とタイム感という言葉でピンと来た人もいるかと思いますが、拍というものは音楽というかその曲における秒針のようなものです。

さらに言い換えると1拍1拍をいかに正確な間隔で保てるか、その間隔を一定のまま手拍子なり足踏みできる力をタイム感と言います。
冒頭の「テンポを一定間隔でキープする能力」を全力で噛み砕いてみた結果こんな感じの説明になりましたが、まぁここまでがリズムを作っていくための土台となります。

リズム感

さて、次はリズム感についてです。
この2つは似たようなものなのに微妙に違うという非常に曖昧なもので今書きながらどういう風に書くのが分かりやすいかなーと頭をフル回転させられていますww

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-07-3-06-21

という事で再びリズム譜に頼ることにします。
下段はタイム感の時と同様のもので、適当にテンポを決めてこの通り4分音符でメトロノームを鳴らすとその曲のテンポ(速さ)が決まります。
上のタイム感の話と繋げるならその曲の中の時間を進む秒針の速度みたいな表現でもいいかも知れませんね。長ったらしいですがww

まぁとりあえずメトロノームを鳴らしたとして、そのテンポに合わせてワンツースリーフォーと足などでカウントしながらそのテンポを体で感じます。
後は弾くだけですが、メトロノームや足で感じるワンツースリーフォーに合わせて4分音符だけでボーンボーンと弾くだけではまだリズムとは言えません。

いや、ジャズの4ビートなんて95%くらい4分音符なのでこれもひとつのリズムではあるのですが、そういった意図がなくただ何となく拍の頭に合わせるだけではいけない的な意味です。

そこで上段を見てみましょう。
小節ごとに微妙に譜割り(音符の割り振り)を変えていますが、それぞれがいわゆる8ビートと言われるパターン達です。
8ビートだけでもリズムパターンは無数にありますが、一曲を通してだったりAメロやサビを通して元となるひとつのパターンで弾くのが基本です。

ちなみにリズムという意味を調べると

音の強弱などの、周期的な繰り返しによって表される秩序。律動。韻律。調子。節奏。

という説明が出てきます。

この周期的な繰り返しというのがリズムパターンであり、たとえば譜例1小節目のパターンを延々と繰り返すとそれがその曲のリズムとなります。

ここでようやくリズム感とはなんぞや?という話に入りますw

1小節目のパターンを例として進めますが、これを音符ではなく文字で表すと4分音符、8分休符、8分音符、4分音符、8分音符、8分音符となり、口で表すとターンタタータタとなります。

このひとつひとつの音符や休符を正確な長さまで音を伸ばしたり音を切る事でリズムを感じる、感じさせる力のことをリズム感と言い、決められたテンポ通りに周期的な繰り返しを持続させられる事をリズム感が良いといいます。
もちろん聞いていて音符や休符の長さを感じるリズムパターンが弾けていてもメトロノームより段々速くなったり段々遅くなってしまうようではリズム感が良いとは言えませんので拍と拍の間隔が正確なタイム感ありきの話となりますが。

そんな感じでものすごく長い説明となりましたが、タイム感の土台の上にリズム感があり、どちらも似たようなものですがとても密接な関係でリズム隊のベーシストには欠かせないものとなります。

ちなみに1小節目と2小節目で違うのは3拍目の裏に音を伸ばすか切るかというだけの違いですが、弾き比べてみるとまるで別物のように感じるかと思います。
ここまで突っ込みだすとグルーブ感とかノリの話になって更に話が長くなってしまうので今回はタイム感とリズム感についてのみで留めておきますw

手拍子で合わせてみる

さてさて、ここからようやくリズム練習のお話です。
自分でも一度文章にまとめておきたいと思っていた内容でしたが予想以上に長くなっていったのでこれでも最低限しか書かなかったつもりですw
もっと上手く短くまとめる力が欲しい( ;∀;)

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-06-21-09-57

この譜例はタイム感の話をした時のまんま使い回しですが、とりあえずメトロノームを出してBPM=100くらいで鳴らしてみてください。

ピッピッと4分音符で聞こえてきたら次はそれに合わせて4分音符で手拍子をしてみましょう。
もしその手拍子でメトロノームの音が全く聞こえてこなければこの練習はしなくて大丈夫です。

合わせにいったり集中力を切らすと絶対に出来ませんが、手拍子とメトロノームのタイミングが寸分違わず完璧に合えばフッとメトロノームの音が消えます。
これが長時間出来れば完璧なのですが、ある程度経験を積んでいても相当困難ですし拍の頭しか体にないうちはあまり意味がないかなぁとも思いますのでメトロノームの音を消すのは最終目標だと思って一旦頭の片隅に追いやってしまいましょう。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-10-07-23-02-14

次はテンポはそのままで手拍子を8分音符にしてみましょう。
拍の裏が分かる人はこれでメトロノームの音が消える確率がかなり上がります。確率という言い方はちょっと変な気もしますが。

拍の裏が分からない人はここでしっかり体に刻んでしまいましょう。

add_text

印を付けたこの部分が拍の裏になります。メトロノームが鳴っていない偶数の部分ですね。
叩きながら123456781234〜と声に出して数えてみましょう。
4分よりも8分を等間隔で叩く方が簡単なので段々裏の場所を感じれるようになってきたと思います。

ここで1小節だけ一瞬数える数を減らしてみてください。

文字で説明すると12345678123456712345678で、赤文字に注目してください。
1つ減らすという事は要するに半拍ずらすという事なので赤文字の次からはメトロノームが裏で鳴るはずです。

馴染みのない感覚なら最初は気持ち悪く感じてしまうかも知れませんが、裏を感じているという事なので慣れるまで手拍子を続け、ずれてきたらまた表からやり直しで。
これに慣れてきたら手拍子は8分音符ではなく4分音符、拍の表だけで叩いてみましょう。
上手くリズムにはまらない時は足で8分のカウントを取ってみたり、頭を4分で振ったりして体のあらゆる部分を使いながら体全体でリズムを作るイメージで色々試してみてください。
しっかり馴染んできたら最初に書いた手拍子でメトロノームの音を消す練習もたまに気が向いた時だけでもチャレンジすると体の中のタイム勘やリズム感がさらに養われていくでしょう。

【メトロノームを使った練習】基本的な鳴らし方・練習法で裏でメトロノームを鳴らす事を書いていましたが、あそこで説明しきれなかった事も結構書きましたので上手く弾けなかった人は参考にしてみてください(`・ω・´)ゞ
ベーシストは最終的には指から出す音でリズムを感じさせないといけないので思い通りに音を出すテクニックはもちろん大事なのですが、まずは体でリズムを感じる感覚が大事という事も覚えておいてもらえると幸いです(`・ω・´)ゞ

しかしそう考えるとリズムを体で表現するダンスの練習がベーシストには良いというお話はかなり的を射ていますね。
ちなみに私はダンスはからっきしですがww