イパネマの娘
ジャズセッションでボサノバと言えばGirl From Ipanema(イパネマの娘)かWaveというくらい高い頻度で演奏されるナンバーです。
まさにボサノバという感じのシンプルな進行と綺麗なメロディです(; ・`д・´)

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Girl From Ipanema

1962年にブラジルのボサノヴァ界の大御所アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲したものです。
ちなみにイパネマとはブラジルのリオデジャネイロ市内に位置するイパネマ海岸の事で、当時のボサノヴァアーティスト達はこの海岸近くにあったバー「ヴェローゾ」によくたむろしてお酒を飲んでいたそうです。
ちょっとした逸話があって、近所に住む少女エロイーザが母親のタバコを買うためにここにしばしば訪れてきたそうですが当時10代後半、長身でスタイルも良く近所でも有名な美少女だったそうな。
ジョビンもイパネマの娘の作詞をしたモライスも超が付くプレイボーイでありそんな彼らがこの美少女を見逃すはずがありません。
エロイーザの歩く姿に目を付け、そこからインスピレーションを得て、イパネマの娘を作ることになり店内で即席で作ったという説が広く流布されていますが、実際は作詞・作曲ともにそれぞれの自宅でそれなりの期間をかけて行われたみたいです。
それでも店内で今の形のモチーフとなるものはある程度完成していたとは思いますが(; ・`д・´)

で、ボサノヴァのナンバーとしてはおそらく世界で最もカバーされた曲ですのでプロアマ問わずいくらでも動画が出てくるのですがこちらでは原典となるものを紹介しておきます。
小野リサさんが歌っているものも有名ですね。

譜例

Girl_From_Ipanema-1

Girl_From_Ipanema-2

↓PDFはコチラ
Girl_From_Ipanema2

こんな感じでいつも通りざっと1コーラスを。
以前Blue Bossaでも書きましたが、ボサノバでのベースで大事なのは兎にも角にもルートを弾いてしっかりボトムを支えることです。
スイングのように流れるようなラインを求められることは無いというかルートと5度でしっかりリズムキープしてとまず言われますし、ベースソロ以外本当にルートと5度しか弾かなくてもまず何も言われません。

構成はAABAと普通のジャズっぽいですが、Bのサビ部分がよくある進行の倍の長さとなっていますので40小節というちょいと変則的な長さになっています。

解説

今回はどこのフレーズがどう、というよりも上にも書きましたがとにかくルートと5度で演奏のボトムをしっかり支えてリズムキープというのがほぼ全てなのでそういう解説でいきたいと思います。

イパネマの娘4小節

とりあえず冒頭の4小節。
Fmaj7、まぁ要するにFのコードでのルートはF(ファ)なので2弦の3フレット、5度はフレットの位置関係ではルートの真上の弦なので3弦の3フレット。

5度というのはルートから数えて5つ目、ドレミファソラシドだとドがルート、ソが5度という関係性なのですが分からない人もここではそういうものなんだな、と頭の片隅にだけ留めておいてあまり気にしないでください。

3〜4小節目はG7という事でGのコード、ルートはG(ソ)なので1音(2フレット)まるまるズレるだけです。
ルートが2フレットズレるという事は5度も2フレットズレて、ベースではどのキー、どの弦でどう変わってもこの関係性は絶対に変わらないので覚えておいて損は無いかと思います。

で、何故こういうパターンのベースなのかと言うと

ボサノバドラム

ドラムのキック(バスドラム)に合わせているからです。

この赤丸の部分がベースで音を出している部分になります。
4拍目裏のキックだけ赤丸がありませんが、これも無視していい訳ではなく実際は結構この部分もベースでゴーストノート的なものが入る事も多いです。
譜例は譜例というかあくまで基本パターンであり、セッションの状況や盛り上がり、気分次第でサビの部分みたいに足したり弾いたり試してみるのもいいと思います(; ・`д・´)