Days Of Wine And Roses
ジャズセッションでは枯葉くらいの頻度でよく演奏される曲で邦題は酒とバラの日々。
元々はアメリカ映画の主題曲でヒットしたナンバーで美しいメロディが個人的にも大好きな曲ですヽ(´ー`)ノ

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Days Of Wine And Roses(酒とバラの日々)

1962年の映画「Days of Wine and Roses」と同タイトルの主題曲で1962年度アカデミー歌曲賞に選ばれたり、グラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞した大ヒット曲です。
原曲はスローテンポ気味のバラードとなっていますが、ジャズの場合はほとんどミディアムテンポ以上のスイングで演奏されますね。

メジャー調のメロディでめちゃくちゃ美しいのですが、映画の内容はお酒を通じての出会い、お酒に溺れて家庭が崩壊していくという曲だけ聞くと想像しにくいような内容なのですが、映画を見た上でこの曲をやるとちょっと感じ方が変わるのでそういう所も音楽の面白さだなぁと思ってしまいます。

この曲も枯葉辺りと同様にセッションの入門的な感じで知ってて当然レベルの扱いである事が多いですのでセッションに顔を出し始めた人は必然的に耳にする機会も多いでしょう。

超メジャーな曲だけあって様々なジャズプレイヤーの名演がありますが、最も有名な録音と言われる音源のひとつがこの1964年のオスカー・ピーターソントリオの録音かなぁと思います。

譜例

Days_Of_Wine_And_Rosesベースライン-1

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Days_Of_Wine_And_Roses

という感じで、今回も運指はウッドベースみたいな感じにしてあります。
開放弦を上手く活用する事で左手のフィンガリングの負担が軽くなるのでジャズ以外でも参考にしてみてもらえたらと思います。

この曲のキーですが、調号は♭が1つとなっていてFで始まってラスト32小節目もGm7-C7とFに向けてのドミナントモーションになっていますのでFのキーとなりますね。
特にヘンテコな進行もなくいかにもスタンダードな感じで、譜面通り弾く分にはそこまで難しい箇所は無いかと思います。

先日の記事のAutumn Leavesの譜面と同じようなフレーズも多々ありますが、ルートが違ってもコード構成音が同じなら大抵使いまわしも出来ますよーという感じなので慣れてきたら他の曲へと応用させてみてください(`・ω・´)ゞ

解説

という事で今回も軽く理論的な説明も混ぜつつ解説してみたいと思います。
用語までここで細かく説明というのは難しいので、分からない言葉があれば積極的に飛ばしてくださいw
フレーズや音を耳で覚えつつ用語は頭の片隅にでも置いておけば後々何らかのタイミングでハッと理解出来る瞬間が来ます( ゚д゚)ハッ!

気になる方は調べつつでもいいかと思いますが、とりあえず「そういうものなんだなー」と思っておくだけでも十分ですヽ(´ー`)ノ

酒バラ1-8

そんな感じで1〜8小節目を使ってコード進行的な解説をしてみます。

1小節目はまぁそのまんまです。キーFのトニックであるFから始まります。
フレーズもルート、3度、5度、6度と、まるでペンタトニックと言わんばかりですね。
2小節目の2弦1フレット、E♭の音に半音からのアプローチとなっていますがこれは経過音ではなく普通にスケールの音と思っておいてください。

で、2小節目ですがいきなりダイアトニックコードとは関係ないコードが登場しました。
これは答えから言ってしまうとFのサブドミナントマイナーであるB♭m7の更に代理コードとなるE♭7をはめ込んだものという解釈が出来ます。

まず、サブドミナントマイナーとはなんぞ?というところからですが、キーがFメジャーの場合Fマイナーのダイアトニックコードを借りて持ってくる事が出来るんですね。
これを同主調からの借用和音と言います。

Fmダイアトニック

これがFマイナーのダイアトニックコードなのですが、ざっくり書くとこのⅣm7はFメジャーのコード進行の中に入れても特に不自然にならず本来のダイアトニック以外から哀愁漂う響きを得る事が出来ます。
Ⅳ度のコードは役割としてはサブドミナントというものになり、これのマイナーなのでサブドミナントマイナーという感じでふわっと覚えておいてください。

3〜4小節目は5小節目にいくまでの流れがAutumn Leavesと同じですね。
手順的にはこの2小節はGmに向かうためにD7というセカンダリードミナントを挿入して、それを更に細かくⅡ-Ⅴの進行にしたという解釈が出来ます。

またややこしそうな言葉が出て来ましたね。セカンダリードミナントですって。

セカンダリードミナントというのは目的地となるコード、この場合はGmを一時的にトニック(Ⅰ度)とみなしてドミナントからトニック(Ⅴ-Ⅰ)の流れを作ってあげる事を言います。
まぁ一瞬だけ転調している訳ですね( ゚д゚)ハッ!
そのⅤ-Ⅰの進行を更に細かくしてⅡ-Ⅴ-Ⅰにしたのが3〜5小節目なのですが、頻繁に登場するパターンなので用語と雰囲気だけでもとりあえず覚えて貰えたらと思います( ;∀;)

そして7〜8小節目。
ここは再びFマイナーのキーからコードを借りてきてサブドミナントマイナーのB♭m7を、そしてそれの代理コードとなるE♭7の組み合わせという解釈になります。

ここまでのフレーズの流れですが、経過音を使っているのは3、6、7、8小節目の4拍目のみという感じで基本的にはコードトーンやスケール内の音で大半を組み立ててたりします。

もっとバリバリ経過音を入れても問題は無いのですが、使う加減やタイミング次第ではちょっとフワフワしすぎてコード感が分かりにくくなる事もありますので、それを狙う訳ではないのでしたら無理に経過音を入れる意識は必要ないかなぁと思ったり。
と言いつつ経過音を入れる絶妙なセンスがウォーキングベースの醍醐味だったりもしますので状況次第で色々試してみてもらえたらと思います。

9小節目以降もフレーズの組み立て方は同じで、ルートから始まってコードトーンを中心にたまにスケールの音や経過音を挟んでいるシンプルな感じにしてみました。

ジャズスタンダードは曲によっては色々なコード進行がある場合も多く、実際に弾いてみないとどうなるか分からない事も多々ありますが、この曲はほとんどこのパターンでとりあえず黒本通りに覚えておけば問題ありませんので、ただフレーズを覚えるだけでなくコード進行も確認しつつ練習してみてくださいませ(`・ω・´)ゞ

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