ちょっとジャズをかじってみたいという人向けに手頃にそれっぽく弾ける記事を書いてみようかと思います。
一応理論的な説明も交えつつですが、難しい理屈は抜きでとりあえず譜例を参考にしつつ弾いてみてくださいませヽ(´ー`)ノ
ジャズブルースとは
Ⅰ7(トニック)、Ⅳ7(サブドミナント)、Ⅴ7(ドミナント)の3つのコードで12小節1コーラスの展開とブルースといいます。
ブルースのコード進行に合わせてベースラインを弾いてみようの記事でブルースについて詳しい事や基本的なベースラインを紹介していますので、まずは普通のブルースから!という人はそちらも見てくださいませ。
で、今回はジャズブルースというやつなのですが、簡単に言えばブルースのコード進行にひねりを加えてジャズっぽい感じでやろう!というものです。
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Ablues
こちらが普通のブルースのコード進行。
ジャズは管楽器の人とする機会が多いという都合上、キーはFやB♭、E♭などのフラット系のキーが好まれます。
ちょっとロック寄りなブルースだとギターが思いっきり主役なので開放弦をふんだんに絡められるE、A、Dが多いですし、同じジャズでもこれまたギターが主役のジプシージャズなんかだとやっぱりAmの曲って結構多いなぁと思ったりしますがジャンルや楽器で主要キーがガラッと変わるというのはなかなか面白い話ですよね。
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Fブルース
という事でキーFで一般的なブルース進行に。
これで譜面のリズム通り1小節に4つずつ音を入れるとたしかにFのブルースではあるのですが、まだいかにもって感じのジャズ感はありません。
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Fジャズブルース
どうすればブルースの進行はジャズっぽくなるのか、という結論を先に出しておくとこうなります( ゚д゚)ハッ!
ジャズの基本という事で大体の人がまずここを通りますし、僕も例に漏れずという感じでしたが初めて見た時は
いや、もう全く別物の進行やん
と、とりあえずそう思いました。
実際に弾いてみると確かにこっちの方がジャズらしさはありますが、どういう理屈でここまでガッツリとコードが変わっていくのだろうと疑問でした。
ですが理論ありきで考えるのはあまり好きではないのでとりあえずコピーしてみたり落ちている譜面を漁ってみたりととにかく弾き込んでみました。
ちなみにこの進行もあくまで一般的な進行というだけでもっと細かいパターンもあれば、曲によってdimのコードにいかない方がいいものもあったり、ベーシスト的な観点だと出来るだけコード楽器の人の進行に合わせたりとか、真面目に勉強し始めるとブルースひとつ取ってもかなり大変だったりしますww
そんな理論的な解説もしつつ〜と思いながら書き始めましたが、既に前置きが超長い上にタイトルがジャズっぽく弾いてみよう初級編という事なので今回はとりあえずこう弾けばジャズっぽい4ビートの響きになりますよ〜という譜例を紹介するだけにしようと思いますw
体で覚える前から理論ばかり頭に詰めても結局響きで理解出来ないし、理論なんて結局は後付けで考えられたものでしかないのでまずはそれっぽく弾けるように!
という事で簡単な感じでそれっぽく紹介していきますヽ(´ー`)ノ
譜例
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Fジャズブルース譜例
ちょっと多めに、ガッツリ3コーラス分の譜例を作ってみました。
1コーラス目はコードトーン(コードの構成音)のみで。
それだけではジャズのウォーキングベースライン独特の滑らかさが出ないので2、3コーラス目はそんな感じの経過音を混ぜてジャズっぽい滑らかなラインもところどころに入れてみました。
※経過音というのは次のコードや、別の構成音へとスムーズに向かえるように入れるコードトーンやスケールからも外れた音の事でここが結構センスを問われる部分だったりもします。
この記事はどちらかと言えばジャズを全然知らないけど、とりあえずそれっぽく弾いてみたいという人向けに書いてみましたので、この下からの解説はスルーor流し読み程度でもいいかと思います( ゚д゚)ハッ!
フレーズを弾きながら理論も頭に詰め込んでいくというのは大変ですし、まずは形から色々弾いてみるようにして沢山のフレーズが体に馴染んでくれば自然と理解出来るようになっていくでしょう。
解説
部分的な解説も一応細々と、とも思いましたが譜面に起こしてみたら2コーラス目の最初4小節に案外まとまっていましたのでこの部分でちょっとした説明もしてみます。
コードトーンについてはここで全部説明するとキリがないので【12キー各ルート対応】コード一覧表を参考にしてみてくださいませ。
まぁこの記事ではあくまでジャズブルースをジャズっぽく弾いてみよう、という程度なのでとりあえずそこまで気にする必要はない気もしますがヽ(´ー`)ノ
で、まず1小節目ですがこの中で外れた音というと3拍目、1弦1フレットの音になります。
F7なので長3度の音である2フレットの音は正しいのですが、1フレットだと短3度という事で単純にこの音だけ使うとサウンドが濁ってしまいます。
ですがその長3度に向かうための経過音と考え小節全体を聞くと流れるようなフレーズとなっています。
そして経過音というよりはコード構成音そのまんまですが、1弦2フレットの音も次のB♭7のルートである1弦3フレットに半音下からのアプローチという形になるのでF7からB♭7へのコード進行もスムーズになりますね。
結果的に1小節目の2拍目から2小節目の頭まで半音(1フレット)ずつ進んでいきますので、この部分はまさにジャズっぽいウォーキングラインの代表的なものだったりします。
2小節目のB♭7はルート、短7度まではコードトーン、開放弦の音は7thコードによく使われるミクソリディアンスケール的な解釈でスケール内の6度の音、最後の2弦4フレットだけがどちらにも属さない外れた音となります。
ちなみにこの解釈だとF7での1弦の開放は2度という事になりますね。
で、流れ的には2弦3フレット、コードトーンの5度の音に行きたいところですがそうしてしまうと次のF7のルートと被ってしまう( ゚д゚)ハッ!という事でコードの進行感がちょっと損なわれるというかあまりジャズっぽい感じではないので3拍目の開放弦から半音ずつ下がって次のルートに向かう流れを作っています。
3小節目は2小節目と運指は全く同じで弦が2、3弦になるだけですね。これも次のCm7にスムーズに向かえるアプローチになっています。
4小節目は2拍ずつ2つのコードがありますね。
外れた音は2拍目のみで後はコードトーン内の音となりますが、2拍目も普通に4弦3フレットで5度の音にする事も多いのですがせっかくなので経過音的な音使いにしてみましたw
こうする事によって2拍目に一瞬コード感がふわっとしますので、ブルースくらいのコード進行がともかくもっと細かい進行が続く曲だったりするとフワフワしすぎてあまり好ましくなくなってしまう場合もありますのでこの辺りの加減はセッションで試したり色々聞きながら覚えていくしかないかと思います。
という感じで、極端に言えばこれをそのまま弾き続けたりフレーズを部分的に取り替えたりすればセッションでFのジャズブルースが出来ますよー的な感じでまとめてみました。
あまりジャズに馴染みがない状態でひとつずつ細かく理論的に納得していこうと思ってもいきなりは難しいですし、意味が分からなさすぎてせっかく持ったジャズへの興味も一気に薄れてしまいますのでまずはこれで「それっぽく」出来るようになる一歩から始めてみてくださいヽ(´ー`)ノ
ジャズブルースに慣れてきて他のジャズスタンダードも知りたい!という方はコチラをご覧ください。