フリジアンを有効に使った曲でどれが分かりやすいかなーと考えていて、再びチック・コリア先生に頼る事にしました( ゚д゚)ハッ!
正確にはフリジアンというよりはスパニッシュの雰囲気が強いですがかなり参考になります(`・ω・´)ゞ
LA FIESTA
(譜面の部分は1:55〜)
Chick Corea(チック・コリア)の代表曲のひとつです。
ここ最近で最も主流となっているジャズスタンダードブックの通称黒本の2にも入っていますね。
8分の6拍子でチックらしいスパニッシュな雰囲気を漂わせる曲で個人的にも好んで演奏する機会が多いです。
70年代に大きな転換期を迎えたジャズで、特に大きな転機を与えたアルバムとして大ヒットしたreturn to foreverのラストを飾る曲で、アコースティックとエレクトリックの融合がとても心地良いですね。
いかにもという感じのジャズのアルバムではなく、他のジャンルを好む人にとってもとても聴きやすいナンバーばかりですので是非色々聴いてみて欲しいです( ゚д゚)ハッ!
LA FIESTA譜面(タブ譜)
テーマの前半のメロディをタブ譜にしてみました。
目安はBPM=100くらいですが音符が細かいところもありますので最初はもっとゆっくりのテンポからでいいかと思います。
では難しい部分をざっくり解説していきます( ゚д゚)ハッ!
解説
1小節目(6,8小節)
冒頭からいきなりの32分音符なんていう超細かい音符が出てきましたね。
右手にも左手にもいい練習になるので全部ピッキングしてしまうのもオススメですが、テンポが速くなってくるとかなりきついのでハンマリング、プリングを駆使してピッキングは1回だけにするといいでしょう。
それでも左手は結構大変なのでどれだけテンポが上がっても一定のスピードで動かせるようにゆっくり練習してみるといいかと思います。
運指も書いておきましたが、この7〜10のポジションが基本になります。
9小節目と12小節目だけポジション外の音が入りますがそれも一瞬なのでそこは難しくないと思います。
5小節目
演奏記号がズラーッと出てきました。
「−」はテヌート、「・」はスタッカートと言います。
どちらもアーティキュレーション(※下記参照)という記号で下にwikipediaの文章を引用しましたが、簡単に言えば音符だけでは表現出来ない長さを記号で指定してその音に表情をつけるという意味ですね。
アーティキュレーション(articulation)とは、音楽の演奏技法において、音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。
フレーズより短い単位で使われることが多い。 強弱法、スラー、スタッカート、レガートなどの記号やそれによる表現のことを指すこともある。
テヌートは音を保って、スタッカートは音を切り離してという意味で、最初の一音は十分に音を伸ばし残りの三音はタッタッタッとしっかり音を切ります。
9〜10小節目
リズム的にここが一番難しい部分になるかと思います。
8分の6拍子というのは要するに1小節内に8分音符が6つあるという意味で、タタタタタタと6つ弾くと綺麗に収まるようになっています。
これが付点8分音符4つという強制的というか擬似的な4拍子風にするテクニックで、3拍子のジャズ・ワルツでも2ビートや4ビートの仕掛けを作るような事もよくあります。
この曲の場合は1音目はスラーで前の小節から音が伸びているので更に難しいですが、最初はスラーさせずに音の間隔を掴むのがいいかと思います。
簡単なコツを書いておくと、まずは16分音符をリズム譜に詰め込みます。
付点8分音符という事は8分音符の1.5倍の長さとなるので、実際に音を出す部分を音符に変えてみます。
するとこうなりますね。
1小節に8分音符が6つという事は16分音符は12個という事になり、それを4つに均等にするので16分音符3つ分ずつ音を出せば4拍子風になるという事になります。
なので、最初は8分の6でメトロノームを鳴らしながら音符の部分は音を出して×の部分は指を少し離してミュート気味で弾くと間隔が掴みやすいでしょう。
後は意外に馬鹿に出来ない方法で3文字ずつ言葉を発するというのがあります。
これは各単語の1文字目を強調すれば分かりやすいかと思います。
12小節目
奏法的には特に注意するような事はない最後の3音ですが、最初の1音目に注目してください。
ここまではシャープやフラットなどの臨時記号は一切なくフリジアンスケールのニュアンスでずっと弾ききれていたのですがここでEの長3度の音になるG#が登場しました。
これはスパニッシュスケールと呼ばれる音階の長3度になり、マイナー系スケールであるフリジアンスケールに長3度の音も足す事でスパニッシュスケールとなります。
今回はフリジアンスケール寄りに書いてある記事なので、あまり気にせずフリジアンにもう1音足せばスパニッシュな雰囲気の強いフレーズも弾きやすいですよーという程度で覚えておいてください〜
という感じでここ最近シリーズ化していたスケール練習の中では番外編みたいな感じで別記事で取り上げる事にしましたがフリジアンスケールのニュアンスを掴みやすい曲かと思いますので触りだけでも練習してみてください(`・ω・´)ゞ
スケールを覚えたい人にオススメの教本です。
ただスケールの形だけでなくコードに関する話にも上手く結び付けられていて、それほど気合を入れて読まなくても自然にコードとスケールの関連性が頭に入ってきます( ゚д゚)ハッ!
様々なジャズスタンダードが網羅されたスタンダードブックの第2弾です。
1に比べてセッションでやるにしては少々マニアックな曲も多いですがジャズをやるなら覚えておきたい曲が満載の1冊です!
いわゆるスパニッシュSCとは、平易(安易)にとらまえると、
Cメジャーパーフェクト/ジャズメジャーSCの出発点をE音からにしたモノと相違ありません。
構成は、
C・D・E・F・G・G♯(A♭)A・B(H)
の8音階。
(因みにこのSCのメジャー3度のEをフラットさせたモノがジャズマイナー/パーフェクトマイナー等と言われています)
このパーフェクトメジャー/ジャズメジャーSCは
通常のメジャーSCの第5音Gと第6音Aの間に半音のG♯/A♭を加えた8音階。
全く新しいモノではなくてバッハやヘンデル、モーツァルトにベートーベン等、の超古典の頃から存在、有効性は認知されてそれなりに(臨時的に)使われていました。。
しかし、多分宗教上の理由。7を聖なる数。完璧な数とするキリスト教の教義から(8を忌み嫌う?)からかつい近年までは名前もなく知る人ぞ知る的な音階だったようです。
白三郎様
管理人です、コメントありがとうございます!
なるほど、宗教的な観点からというのは面白い解釈ですね( ゚д゚)ハッ!
日本人的な感覚だと宗教上の理由というのは全然ピンと来ない人の方が多そうですが、各国・各宗教圏内の音階を研究してみると意外な繋がりなんかも見えて面白そうですね( ゚д゚)ハッ!
キリスト教、ローマカトリック教会では
元来、音楽に於いてリズムを(延々と)刻む事自体がタブーで禁止されていたそうです。
理由はリズムを刻む事により人心を惑わし、煽動するからだとか。
白三郎様
おおお、それは非常に興味深いお話ですね( ゚д゚)ハッ!
確かに一定のリズムというのは妙な安心感がありますからね。
私もちょっとそういうマニアックな歴史に足を踏み入れてみようと思います(`・ω・´)ゞ