There Will Never Be Another You
比較的アップテンポ寄りの軽快なスイングで演奏されることの多いThere Will Never Be Another You。
ジャズセッションでもかなりの頻度で演奏されて、他の曲でも応用が効くコード進行なのでぜひ覚えておきたい1曲です(; ・`д・´)

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There Will Never Be Another You

1942年に公開された映画「アイスランド」の主題歌です。映画の邦題は「あなた無しでは」、黒本のこの曲の邦題でもそう書かれていますね。
ハリー・ウォーレン作曲のマック・ゴードンが作詞で1950年になる頃にはすっかりジャズスタンダードのナンバーとして定着していました。
作詞もあるという事で当然歌モノで歌詞を読んでいてもゴリゴリのラブソングなのですが、歌アリでやった記憶はほとんどないってくらいジャズではインストでやる事が多い曲です。
メロディがとても綺麗なので歌とももちろん合っていて素晴らしいのですけどね(; ・`д・´)

譜例

There_Will_Never_Be_Another_You-1

There_Will_Never_Be_Another_You-2

↓PDFはコチラ
There_Will_Never_Be_Another_You3

という事でザザザっと1コーラス分の譜例を作ってみました。
構成はよくある32小節で8小節ずつのABACという構成になっていて、ちなみにAの部分はI’ll Close My Eyesとキーが1音違いなのでちょっと難しいですが2フレットずらすだけで一気にウォーキングラインのネタが増えます(; ・`д・´)

解説

another you イントロ

まずはイントロ。
この曲をセッションでやろうと言われたら高確率でこのイントロをしている気がします。
メロディは上記の譜面だとラストの段、37〜38小節のメロディを2小節、同じメロディを半音上げて2小節、で最後の4小節という感じでまぁ誰とやってもこの譜面通りに弾けばまず音が外れる事はないと思います。
いわゆるペダルと呼ばれる奏法で、ベースは2拍目と4拍目にボーンボーンと弾くだけなのですがこういうパターンのイントロは割とありますので覚えておいて損はないでしょう。
ちなみに特にカウントも無くいきなりイントロが始まる事もあるので、その時は入れるタイミングで焦らず音を出し、定番のイントロじゃなければテーマの頭から弾いて問題ないです(; ・`д・´)

another youa1

そして最初のA
E♭maj7の2小節は前半はちょっとメジャースケールっぽく、後半は普通にコードトーンを行ったり来たりでルートに戻っていますがその次のコードが半音下のDなので、あまりウロウロせず無難に停滞しているイメージです。
Dm7(-5)の2拍目1フレットですが、ここは2フレットにして弾き比べると随分印象が変わって聞こえると思います。こうやって譜面を追って練習する分にはどっちでもいいんじゃね?と思ってしまいますが他の伴奏と合わせたりすると結構違和感を感じます。
色々理屈を聞いて頭がこんがらがるよりもとりあえず形と雰囲気で覚えた方がわかりやすいと思うので、このコードの構成音の時はこう!とだけ覚えておいてくださいww
ちなみに次のG7(-9)はフラットナインスと思いっきり指定されているのでこういう時も使えます。いわゆるテンションコードと言われる音でアプローチ的には一瞬テンションの音をチラ見せしてしれっとルートに戻ってドーンと低い方に降りて次のCの音にスムーズにいくようにしてあります。
ついでに言うとこういう音の使い方はちょっとスケール的な方向に寄りすぎているのでジャズ以外のジャンルによってはベースで弾かれ過ぎると嫌がれることもあるので注意も必要ですね(; ・`д・´)

Aの後半4小節ですが、Cm7もF7もB♭m7もルートが違うだけで音階は全く同じでゴリ押しっぽく攻めていますが、過去のジャズスタンダードの譜面でも結構使っていて汎用性の高いフレーズなので色んな曲で使いやすいフレーズのひとつです。
他の曲を練習する時でもルートが4度の進行(C→Fみたいに真下のフレットが次のコードになる進行)の時はぜひ使ってみてください(; ・`д・´)
で、8小節目はコードトーンのみでルート、短7度、ルート、3度という形で開放弦を活用して低いところに戻っています。
こんな感じで楽出来るところは積極的に楽をしておくと多少でも気持ちに余裕が生まれるのでそれも何となく頭の片隅にでも置いておいてください。

another youa2

Bはほとんどコードトーンでの組み立てか、Aのフレージングと同じ要領で作っていますので弾くのに慣れてきたらちょっとそういうのも注目してみてください。
後半のAは先程の上昇フレーズとは対象的に下降フレーズがメインとなっていますが、実は譜面作っている時は普段現場で弾いているつもりで音をポンポン入力しているのでこんな解説向けになっているとは思わなくて少し驚いていますww

さて25〜26小節目、再びE♭maj7ですがここは2小節を大きく使ってワンフレーズ、ひとつのコードという観点で弾いています。
前半はルート、7度、6度と進んで後半の5度に繋げる為の経過音の4フレット、で5度4度3度ルートとほぼメジャースケールに近い感じですね。
あとの下降フレーズはCm7ですがm7のコードの時にルート、7度、6度、5度で降りていくのも割と使い勝手が良いので色々なルートでこれも覚えておくと便利かと思います。

ラストは2拍ずつと結構細かくコードが動き、この曲のテンポも大体がミディアムよりは速めで演奏される事が多いので無理に音を動かすよりはルートを主体とする方がアンサンブルは安定するので堅実にいきましょう。

ちなみにエンディングもお決まりのパターンがあって、譜面の37小節目のところからイントロのパターンをやって終わる事が多いです。
というより大体その前提でセッションが進行していきますのでまずはこのパターンをしっかり覚えていれば大丈夫です。
タブ譜だけでなくコード進行も覚えていれば他の曲でも応用出来る部分が沢山ある曲のひとつですのでぜひ頑張って練習してみてください(; ・`д・´)