KORGメトロノーム
面白そうなタイトルに釣られて読んでみたらなかなか面白かったのでちょっと記事のネタにしてみますw
感覚的には知っていた事でもこうした研究結果を見ると結構考えさせられますね( ゚д゚)ハッ!

合奏のテンポ、速くなるのはなぜ? 東大が原因解明

こんなタイトルを目にしてしまうと色々なバンド編成でリズム隊の一員として活動している身としては見ない訳にはいかないでしょう。
という事で、結論から書かれていましたので早速引用してみます。

 東京大学はこのほど、合奏のテンポが無意識的に速くなる原因を解明したと発表した。一定のリズムで指をタッピングしてもらう実験を、ソロ・ペアそれぞれで行った結果、ペアの場合は、タップが早い方に合わせようとするタイミング調節が起きていたという。

 音楽を演奏する際、テンポはしばしば意図せずに速くなってしまう。この現象は演奏やテンポが「走る」と呼ばれ、合奏でより顕著になる。その原因はこれまで、演奏者の緊張や高揚といった心理的な要因だと考えられていた。

との事で、分かりやすく説明すると今までは速くなってしまう原因は緊張してせかせかしてしまい足で取っているカウントが段々速くなってしまったり、テンションが上がって音と音の間にあるタメや間(マ)を待ちきれずぶわーっと弾きまくって速くなるとされていたんですね。

ですが今回の研究によればどうもそんな自分自身の事よりも、複数が同じテンポで楽器を弾いたりタップしてテンポを取ったりすると速い方に合わせてしまう傾向が自然に出来てしまうみたいです。

ある程度バンドをしてきた人がこれを見ても当たり前じゃない?と思ってしまいそうですし、実際弾いていても明らかに誰かが速くなればそこに合わせるしかなくなってしまいますが記事にあったグラフが面白い傾向になっていたのでそちらも引用してみましょう。

テンポキープ研究結果

この研究の対象となった人達が全くの無作為なのか、音楽の素養がある人達なのか、半々なのかがちょっと分からないので何とも言えませんが左右どちらのグラフも縦の軸がタップ時間。
という事は低い程タップしてから次にタップするまでの時間が短いという事になりますね。

水色はソロ(1人)でタップした結果ですが、緩やかに変化はあるものの割とテンポキープが出来ている方かと思います。という事はやっぱり音楽経験者の人が対象なのかな?

紫色がペア(2人)で一緒にタップした結果ですが左のグラフはメトロノームを停止した途端すぐに速くなっているのが分かります。
右のグラフはテンポによってかなり傾向が変わりますね。テンポが遅くなる程ペアで速くなりやすく、テンポが速いと少しマシになりますがソロでも段々速くなる傾向があるみたいですね。

ちなみにタップ時間(ミリ秒)というのは1000ミリ秒が1秒なので例えば真ん中の500ミリ秒だと0.5秒となります。
これをBPMに変換すると、BPMというのは1分間に何拍かの回数という意味ですのでBPM=60だと1分間に60拍で1秒と同じ長さ、という事はBPM=120だと半分の0.5秒になりますね。
なので500ミリ秒とBPM=120はイコールになりますね。

この速さだとテンポキープは比較的難しくなく、ソロだとほとんど変わらずという結果ですがペアだと思ったよりも速くなっていますね。
細かい計算をしていなくて割と目分量ですがペアで速くなるテンポの比率というのは元のテンポに関係なく同じくらいの比率で速くなっていくのかなぁと思ったり。

しかし、どうして速くなるのかというメカニズムまでは書かれていないのが残念ですw

 ソロでは、テンポが徐々に速くなったり遅くなったり、加速減速を繰り返すなどさまざまなパターンがあった一方、ペアでは、どのテンポでも8割以上が徐々に速くなり、平均で約7~9%タップ間隔が減少した。参加者がお互いのタップ間隔の差に基づいて次のタップ間隔を調節し、その結果としてタップ間隔が短縮し、テンポの加速が起きたとみている。

再び引用ですが、原因を書いてある箇所といえばここくらいでしょうか。
お互いがお互いのテンポに合わようとタップする手や足を置きにいっているだけなら逆に遅れてしまいそうなものですが、ふと自分を思い返してみるとビート感のない超スローな曲の頭で様子を探ったりしている段階だと本来の拍より前に音を出してしまう事もあるなぁと気付きましたw
合わせにいくというのを「ここかな?ここかな?」という不安というか緊張感的な感覚で解釈すれば待ちきれずに弾いてしまって結果テンポが前のめりになっていくと考えると結構しっくり来る気もしますね。

という事はテンポが速くなってしまう原因は緊張によるものなのかな?と結局元の解釈に落ち着いてしまう訳ですが、今までとは微妙に違う解釈で捉えられるようになりましたし、こういう意識で練習してみるとまた新しい発見も出来そうです。

こう考えると特にベーシストは一人で音楽をするものではありませんので、同じベースでも別の楽器でもいいのでペアでメトロノームを鳴らして基礎練習をしてみる習慣などもつけてみるとリズムキープやノリの出し方など一人で練習するよりも多くのヒントがありそうです。
ちょっとペアで練習出来るリズム練習の方法なんかも考えてみようかなぁという感じで最後はベースの練習について取り扱った記事っぽく締めておきますヽ(´ー`)ノ