アルコ比べ
構え方から利点まで全く違うジャーマンボウとフレンチボウ。
どちらに優劣がある訳ではありませんが、ウッドベースやコントラバスを購入して最初に迷うことのひとつなので参考になるような事を色々書いてみようと思います。

ジャーマンボウとフレンチボウ

ウッドベース(コントラバス)にもヴァイオリンやチェロなどと同様に弓での奏法があります。
というかクラシックではむしろ弓での演奏がメインで、指で弾くべき部分では楽譜にpizzと指定があってここからまた弓に戻りますよーという部分にはarcoと指定があります。

このpizzというのはpizzicato(ピチカート)の略で和訳はつまびき、まぁそのまんまですね。
ちなみにarcoはイタリア語で弓という意味で、会話の中でもアルコと呼ぶ方が多いです。

アルコ

ジャーマンボウとフレンチボウというのはドイツ式の弓とフランス式の弓という意味ですが、上の画像のように見た目が違うだけでなく持ち方が全然違ったりします。

アルコはイタリア語だったのにこっちは英語かよ!という野暮なツッコミは無しにしましょう。
何となくの響きでそう呼ぶようになったのかなーとか適当な想像をしていますが知っている人がいましたらこっそり教えてください(´つヮ⊂)ウオォォwwww

で、この2種類の弓ですがジャーマンの方が大きな音が出るとかフレンチの方が速く弾けるという差があるのかというと全然そんな事はなく、ある程度訓練を積めばどちらでも出来る事はそう変わらないです。
むしろこれがやりたいからジャーマンを選んだとかフレンチを選んだというパターンはあまり無いというか、強いて言えばタンゴ系はフレンチボウを使っている人が多いのでガチでやるならあの豪快かつ細かいニュアンスはフレンチの方が出しやすいのかなー

持ち方

ジャーマンボウ

上に持ち方の画像を載せましたのでまずはパッと見て分かるその部分から。
こちらはジャーマンボウですが、手の中にすっぽり収めて抱え込むように持っていますね。
実際、これでしっかり弓を支えられていますのでかなり安定して構える事が出来ます。

フレンチボウ

それに対してフレンチボウ。
んー、ちょっと見た感じだけでもジャーマンと比べて安定感は低そうですね。

フレンチボウ後ろ

裏側からも見てみましょう。ちょっと暗くてゴメンナサイ
うむ、一見すると実に不安定。

確かに持ち方のコツが分かるまでは無駄に力が入って疲れるし、ジャーマンに慣れていた分余計に大変だったかも知れません。

が、ある程度練習して持ち方のコツを掴むと力を入れずにスッと持てるようになりますし、ジャーマンよりも弦に柔らかく圧力をかける事が出来るようになっていきます。

音色

アルコ比べ

更にここも大きなポイントなのですが、赤丸に注目してください。
普通に立って構えて弦に弓を置いた時の場所が全然違いますね。

肘の曲がり具合というか腕の伸び具合?はほとんど同じなのですがジャーマンボウは抱え込んでしまう分、弓が指板によりがちになってしまいますがフレンチボウはもっと中心寄りに弓があります。
指板側に寄せるのはカンタンなので、全く同じ労力や奏法的なテクニック無しでフレンチの方が最初から音色に幅を持たせられるのですね。

駒側に寄せやすいメリットですが、エレキベースと同様に駒に近い程音が硬くなるので単純に音質のニュアンスを変化させやすいのとハイポジションにいくほど駒に近いところで弾かないと綺麗な音が出にくいですので、たまにジャーマンを持つとああフレンチの方が楽かなーと思ったりもします。

低音弦

ここもジャーマンとフレンチでかなり弾きやすさが変わります。
この項目ではいかにジャーマンよりフレンチの方が低音弦(特に4弦)が弾きやすいのかという事を書こうかと思っていますが、いくら写真で撮っても1ミリも伝わらないので諦めましたww

とりあえずジャーマンボウを既にお持ちの方は1〜2弦と同じノリで4弦を弾こうと思ったら足に直撃、というのは誰しもが経験しているかと思います。
それで演奏に大きな支障が出るという程でもありませんが、微妙に足をずらしたり楽器を傾けたりの調整が何となくストレスなんですよね。

フレンチボウはというと、1〜4弦どこでも同じフォームのまま問題無く弾くことが出来ますのでこれがジャーマンボウから転向した私にとってはかなり大きかったです。
かと言ってフレンチをゴリゴリ推しているという訳ではなく、逆1〜2弦を弾く時は体から遠いことや構えの難しさもあって弦に腕の重さを乗せる感覚が難しかったりもしますのでまぁやっぱり一長一短ですね。


で、この2種類の弓ですが結局どっちが良いの??という話になると

ぶっちゃけどっちでもいいと思います。

さて、これだけ長々と書いて提起した話題を完全にぶん投げるのはアレがアレでアレすぎるので一応補足しておきますと

とりあえずこの日本で一般的なのはジャーマンボウで、先生に習うにしてもジャーマンボウのみでやってきた人が多くフレンチボウのレッスンが出来る人を近くで見つけるのは結構難しかったりします。

なので元々ヴァイオリンやチェロをやっていてフレンチボウに馴染みがあるとかでないなら最初はジャーマンボウの方がいいかなと思います。

フレンチはまずそれっぽい持ち方をするだけでも一苦労、そこからそれっぽい音を出せるようになるまで更に一苦労なので、ウッドベースを始めたてで弓まで労力が大きくなってしまうと多分挫折してしまうのではないでしょうかw
それに比べるとジャーマンはそれっぽい持ち方でそれっぽく弾いてみるといきなりいい感じの音が出ますので最初から練習がとても楽しいですw

ちなみに私はジャーマンから始めてフレンチに転向して今は完全にフレンチのみとなりましたが何故わざわざ大変なフレンチに変えたのかと言いますと

弾いている見た目がカッコいいから

いや、これ冗談抜きなんですけどジャーマンボウを使っている頃からフレンチボウを使っている人や動画などを見ているとうおー!かっこいいーーー!!と憧れの眼差しを向けていましたww
しかし持ち替える労力の大きさは分かっていたのでどうしても後回しにしがちに。
そんなある日メルカリでまぁまぁ使えるカーボン弓が格安で出ていましたので買うタイミングは今しかない!という事で購入に踏み切って現在に至る訳ですが、それにしても最初は本当に大変でした。

エレキベースで例えるとピックで弾きたいのにピックを持つのが難しすぎて弾けないような感じの…いや、ピックだと簡単過ぎて全然ピンとくる例えじゃないですね。
まぁでもジャーマンからフレンチというのはそのくらい色々変わりました。

とにかく持つ感覚と弦に乗せる感覚だけ分かれば後は弾きながらの試行錯誤である程度は弾けるようになっていきますが、難しいのはその2つの感覚を掴む事なんですよね。
フレンチボウの持ち方についての動画ってかなり少ない気がするので基本的なことは順次アップしていきたいなと思います(; ・`д・´)

あ、フレンチボウのレッスンももちろん受け付けておりますので体験レッスンやお問い合わせからお話だけでも是非(; ・`д・´)